新しい多焦点眼内レンズ『パンオプティクスプロ』
2026年4月2日で、開院して5年5か月が経過しました。この日までに、15607名の新規の患者様が来院され、5046件の手術を施行させていただきました。
当院では、この度、新しい多焦点眼内レンズ『パンオプティクスプロ』を採用いたしました。
白内障手術において、白内障を取り除いた後に眼内に眼内レンズ(人工水晶体)を挿入しますが、現在、眼内レンズには様々な種類のものが存在します。
眼内レンズには、『単焦点レンズ』と『多焦点レンズ』が存在します。
『単焦点レンズ』は、眼鏡をかけない裸眼の状態でピントが合う範囲が狭い(遠方か中間か近方かのいずれか)タイプのレンズですが、それ以外の距離も眼鏡をかければ鮮明に見ることができ、保険診療で挿入ことができます。
『多焦点レンズ』は、眼鏡をかけなくても遠方から近方まで幅広くピントを合わせることができるタイプのレンズですが、単焦点レンズに比べ、鮮明さがやや劣り(コントラスト感度の低下)、夜間光がにじんで見えてしまう(ハロー現象・グレア現象)という欠点があり、かつ保険診療で挿入することはできず、各眼数十万円の追加料金が必要(選定療養)となります。
さらに、『多焦点レンズ』にも様々な種類のものが存在し、毎年のように各メーカーから新たなレンズが発売されてております。
この度、日本アルコン社から、新しい多焦点眼内レンズ『パンオプティクスプロ』が発売となり、当院でも採用となりました。
『パンオプティクスプロ』は『三焦点型』というタイプで、メガネなしでも遠方(5m以上)・中間~近方(1m~50cm)・手元(40~30cm)にピントが合うレンズです。
『三焦点型』の多焦点レンズは、これまでも同社から『パンオプティクス』というレンズが発売されておりますが、『パンオプティクスプロ』は『パンオプティクス』をさらに進化させたレンズです。
『三焦点型』の多焦点レンズは、単焦点レンズと違い、レンズに“木の年輪のような”細かい溝が幾重にも刻まれ、それによって遠くから近くまで幅広く裸眼でピントが合わせられる仕組みになっています。しかしながら、眼球の中に入ってきた光はレンズに刻まれた何重もの溝にぶつかり散乱してしまうため、鮮明さがやや劣り(コントラスト感度の低下)、夜間光がにじんで見えてしまう(ハロー現象・グレア現象)という多焦点レンズの欠点が生じてしまうのです。
『パンオプティクスプロ』はレンズに刻まれる各溝を改良することに成功し、コントラスト感度の低下、ハロー現象、グレア現象が軽減できたとのことです。
具体的には、『パンオプティクス』がレンズの溝によって、眼に入ってくる光のうち12%が散乱して失われていた(実際の見え方に利用できる光の割合は88%ということになる)のに対し、『パンオプティクスプロ』は6%しか失われなくなった(実際の見え方に利用できる光の割合は94%)とのことです。これによって、遠方・中間・近方・手元のいずれの距離も、より鮮明に見ることができるようになるとのことです。
しかしながら、多焦点眼内レンズについて説明する際にはいつも強調させていただいておりますが、コントラスト感度の低下、ハロー現象、グレア現象が全くなくなるというわけではありません。いかなる多焦点眼内レンズを用いても、決して若い頃の見え方に戻るわけではないという認識はとても大切です。
多焦点眼内レンズは、白内障手術を受けることを機に、裸眼で特に近方が見えづらくなるいわゆる老視・老眼を軽減することに寄与することが可能な眼内レンズ(欧米では老視矯正眼内レンズという呼び方が主流)ですが、今回、また新たなラインナップが加わりました。
ご興味のある方は、当院を受診していただき、お問い合わせください。

