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暑い熱い夏に心に響いた言葉

[2023.08.11]

 2023年8月2日で、開院して2年9か月が経過しました。この日までに、9517名の新規の患者様が来院され、2638件の手術(このうち白内障手術は2593件)を施行させていただきました。

 今年の夏は、例年に比べとりわけ暑い日が多かったように思います。夜になっても気温と湿度が高く、蒸し暑くて寝苦しい夜が今年ほど多い夏は、最近では記憶にありません。かつて移住していた広島県福山市での夏の日々を彷彿させるような夏です。

 8月8日のお盆休み前最後の診療日は、長期の休診に入るため、午後からの手術の予定は組んでおりませんでしたので、午前の外来診療終了後にスタッフ全員で防災避難訓練など行いました。普段の診療日は、午前も午後も外来診療や手術で大忙しのため、スタッフ全員が勢揃いできることは難しく、このような日だからこそできることを行うようにしています。久しぶりにスタッフ全員での記念撮影も行いました。

 昨年末から、複数名の新たなスタッフさんを迎えましたが、新たなスタッフさんそれぞれの日々懸命な努力と、既存のスタッフさん達の的確なアドバイスのおかげで、診療が滞ることはありませんでした。すべてのスタッフさんに大感謝です。

 当院は、開設以来たくさんの患者さんに眼科医療を提供してきましたが、現在の素晴らしいスタッフさん達の力なしでは成し遂げることは不可能でした。記念撮影や慰労会でスタッフさん達の表情を見て声を聞いて、改めて素晴らしいスタッフに恵まれていることを実感し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 様々なバランスに配慮しながら、日々頑張って下さっている、このスタッフさん達が私の誇りです。

 話題は変わりますが、現在、甲子園球場では、夏の全国高等学校野球選手権大会が開催されています。今年は、北北海道代表のクラーク国際高校と南北海道代表の北海高校が揃って初戦を突破しました。南北の北海道代表が揃って初戦を突破するのは、実に29年ぶりのことなのだそうです。北海道の代表が優勝するようになった中で、南北同時初戦突破がそれだけ久しぶりのことであることが意外な感じがしました。実はその29年前というのは、北北海道代表が砂川北高校、南北海道代表が北海高校で、組み合わせの妙で2回戦で両校が対戦することのなったのですが、私はその試合を甲子園のスタンドで実際に観戦していたのです。

 当時は大学生で、岡山県倉敷市で開催された野球の大会に出場した後の帰路の途中で甲子園に立ち寄っておりました。小学生の頃から自称高校野球オタクでもあった私は、甲子園球場での高校野球観戦はいわば悲願でありました。実際に甲子園のスタンドに足を踏み入れ、視界の中にグラウンドが広がってきたときの第一印象は意外にコンパクトで模型を見ているかのような印象だったのですが、憧れの甲子園球場での高校野球観戦が実現したこと、そして郷土北海道のチーム同士の対戦が見られたことで大興奮でした。

 今回の北海道代表2チームはかなり力があるのではないかと感じています。クラーク国際高校は昨年秋に全道一となり今年春のセンバツ高校野球大会に出場し今夏の選手権代表にもなり春夏連続で甲子園出場となったチームであり、北海高校も今春に全道ーとなった上で今夏の選手権代表になったチームです。春夏連続で甲子園に出場することや春の全道大会の優勝に続いて夏の甲子園代表になることはこれまでの長い高校野球の歴史を見てもそう簡単に実現できることではなく、それを実現できるチームというのはかなり戦力が充実して底力のあるチームであるという印象がありますので、今回の北海道代表の両校はかなり力のあるチームであることは間違いなさそうで、運も味方すれば上位進出も十分に期待できると思います。

 先日の北海高校の試合は、9回2アウトランナー無しから2点差を追いついた後に、延長戦で逆転サヨナラ勝ちという劇的な勝利でした。私は、外出中で家でテレビにかじりついて観戦というわけにいかず、外出先でスマートフォンでの観戦となりました。本当に感動的な勝利でしたが、私がこの試合で最終的に最も印象深かったことは、夜の高校野球のドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』での対戦相手の大分県代表明豊高校の監督さんの言葉でした。明豊高校は、チームメイトを練習中の不慮の事故で失ってしまうという不幸な出来事があり、その生徒さんへの思いを胸に甲子園に出場してきたという感動的なエピソードを持ったチームでした。北海高校に敗れ、試合後の宿舎で全選手に向けて監督さんがメッセージを涙ながらに贈ったのですが、そのメッセージの中で、「人はいつ人生を終えることになるかわからないので、後悔することのないように、素直に感謝の気持ちを伝えることのできる人間になって欲しい。」という内容の言葉をおっしゃっていました。これは本当に重みのある言葉だと感じられ、私の心にずっしりと残りました。

 確かに、どんなに健康で元気な人でも、死はいつ訪れるかはわからないというのは現実としてあります。それは自分かもしれないし、家族かもしれないし、結果的に一度きりしか会わない人かもしれません。それを考えると、心に感謝の気持ちが浮かんできた時に、その気持ちをすぐに素直に言葉や態度で表現し、相手に伝えることは、自分の人生においても相手の人生においても、とても大切なことであると気づかせてくれた、とても心に響いた言葉でした。

 

 

 

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