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灼熱の札幌にて

[2023.09.03]

 2023年9月2日で、開院して2年10か月が経過しました。この日までに、9703名の新規の患者様が来院され、2703件の手術(このうち白内障手術は2656件)を施行させていただきました。

 9月2日に、札幌市で開催された北海道眼科医会全理事会に出席させていただきました。私は北見ブロック(オホーツク管内)の理事をさせていただいておりますが、私が理事を拝命した時期はコロナ禍で、これまで理事会はウェブ会議(インターネットを使用したテレビ会議)で開催されておりましたが、今回は久しぶりの、私にとっては初めての現地開催、いわゆるリアル会議(従来の実際に会場に集合して対面で行う会議)でした。

 これまでは、画面を通じてしかお会いできていなかった総勢約30名の先生方に、ようやく直接お会いすることができました。今回は東京の日本眼科医会本部から日本眼科医会会長の白根雅子先生のほか3名の副会長の先生方、そして同じく東京から眼科医療政策推進議員連盟事務局長を務められている井上信治衆議院議員も訪問される特別な理事会でもありました。

 ウェブ会議でも会議としては成立しうるものなのですが、リアルの会議は、それぞれの先生方の表情を直接見たり、雰囲気を直接感じ取ることができ、さらには、正式な発言以外でのちょっとした会話、本音も交えた会話もできますので、心の通った会議になる印象があります。参加者全員の表情、雰囲気を俯瞰することができ、ちょっとしたニュアンスも伝わりやすいと感じます。

 会議では、日本眼科学会本部の先生方と国会議員の先生から、将来を見据えた国民の眼の健康を守るための取組みについてのお話をお聞きし、北海道眼科医会からは、北海道の眼科の地域医療の実情についてお伝えし、将来のより良い眼科医療のために活発な討論が行われました。

 日頃、診療を行っていると、目に前の患者さんのことばかりに目がいってしまいがちですが、日本中の眼科医一人一人が、国民全体の眼の健康を守るという広い視野に立って、協力し合って努力をし続けることの重要性を改めて感じました。

 日本眼科医会の理事の先生方や北海道眼科医会の理事の先生方が、日々の診療をこなしながら、日本全体のために、北海道のために、時間を割いて公共のためのお仕事をされていることを改めて認識し、頭の下がる思いがしました。

 さて、話題は変わりますが、8月27日に同じく札幌市で開催された『北海道マラソン』に参加してまいりました。私は、2019年以来4年ぶりの参加となりました。

 この日の札幌市の最高気温は30.7℃で、北海道マラソンが午前中のスタートになってから過去最高の気温の中で開催されました。私がこれまで参加したマラソン大会の中でも最高の気温であったようです。

 本当に暑くて、湿度も高かったので、スタート直後から蒸し風呂に入っているような暑さで、体全体から汗が噴き出してきました。そんな中でも、何とか脚を止めることなく、通算23回目のフルマラソン42.195km完走を果たすことができました。

 酷暑の中でも、途中スコールのような雷雨があり、体も靴もずぶ濡れになりましたが、それによって体全体が一時的に冷やされことは助けになりました。通常、靴がずぶ濡れになってしまうと、靴の中で足が動いてマメなどできやすくなり、走る上ではマイナス要素になりうるといわれています。これは走り終えてから靴を脱いでからわかったのですが、実際に私の足もマメどころか、親指を含めた複数の足の爪の下が内出血を起こし爪がはがれかけていました。走っている最中は興奮状態にあって多少の違和感を感じてはいたものの強い痛みなどは感じておりませんでしたので、今回の激しい雷雨は私にとってはまさに「恵みの雨」になってくれました。

 でも、雷雨よりも何よりも、心の支えになったのは、沿道の方々やボランティアスタッフの方々の声援、太鼓やブラスバンドの応援でした。札幌市内の小学校、中学校、高校の太鼓クラブや吹奏楽部が演奏をしてくださっていたのですが、特に札幌国際情報高校の大音量でダンスもしながらの迫力ある演奏(“ダンプレ”というそうです)札幌国際情報高校吹奏楽部 YouTube動画】は体全体に心にズドンと響いて、まさに心が震えて涙があふれそうでした。苦しい走りの中で、心のスタミナが一気にチャージされ、まだまだ頑張って走り切ろうという気力を奮い立たせてくれました。

 先日の、夏の甲子園大会でも優勝した慶応高校の大音量の応援が話題なっていましたが、本当に応援というのは不思議な力をもっているものだとマラソンを走っているといつも感じます。実は、当院のスタッフさんもサプライズで応援に駆けつけて下さったのですが、残念ながら気付くことができませんでした。本当にごめんなさい!でも、お気持ちに大感謝です!どうもありがとうございました!

 また、2.5㎞ごとの給水所でのボランティアの方々の給水のお手伝いには、今回も本当に頭の下がる思いでした。今回は特に暑い中でしたので、いつもよりも給水所での各ランナーの水を摂る量が多かったのではないでしょうか。そのため、水をコップについでもついでも間に合わないという事態が生じていましたが、そんな中でも自己満で走っているに過ぎない市民ランナーたちのために懸命に水を注いで下さり、散乱したコップを片付けて下さり、そんな中でも「頑張ってください!」と声をかけて下さる。本当にありがたかった。本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。すべてのスタッフの皆さん、どうもありがとうございました!!

 

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