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ある患者さんから

[2023.02.04]

 2023年2月2日で開院して2年3か月が経過しました。この日までに、8046名の新規の患者様が来院され、2094件の手術(このうち白内障手術は2056件)を施行させていただきました。

 あくまで私の主観ですが、この冬は本当に寒い日が多いと感じています。近年ではこの冬程朝の気温が-20℃以下の日が続くことは無かったように記憶しています。以前このブログの中でも書かせていただきましたが、北見生まれの私にとっても、寒さへの耐性が強い幼少期から-20℃は身に染みる寒さです。

 昨日2月3日は節分でしたが、我が家でも、恵方巻をいただき、豆をまくことはできませんでしたが豆をいただいて、ささやかながら『節分』を行いました。暦の上での立春の前日が節分で、季節の変わり目には鬼などの妖怪や悪霊が集まり、疫病や災いをもたらすと考えられていたため、豆をまくことでそれらを打ち払おうという意味があるのだそうです。

 世の中では、コロナ禍、戦争、残忍な犯罪など『鬼』がいますが、人それぞれの心の中にも様々な『鬼』がいると思います。それぞれの『鬼』をなんとか打ち払って明るい未来を拓いていきたいものです。

  ちなみに、我が家での節分の豆は、昨年に続いてアニメ『鬼滅の刃(きめつのやいば)』の豆でした。これは、いろいろな種類の豆が小分けになってパックされており、それぞれのパックには『鬼滅の刃』のキャラクターと物語に関するクイズが印刷されており、子供から大人(私だけ?)まで楽しむことができます。アニメの世界ではありますが、長年にわたって血のにじむような苦しい鍛錬を続け、国の人々や家族を守るために、邪悪な『鬼』に敢然と立ち向かっていく『鬼殺隊(きさつたい)』の強さにあやかりたいものです。

 さて、先日、外来をある患者さんが受診されたのですが、お話を伺いますと、私のことを長きにわたって捜して下さった末に、この度ようやく当院に辿り着かれたとのことでした。その方のご主人を私が北見赤十字病院に勤務していた当時に担当させていただいており、長きにわたって私の元に通院し治療を受けておられたそうです。

 ご主人はすでにお亡くなりになられたそうですが、お名前をお聞きしてその方のお顔と当時の病状を思い出すことができました。私が北見赤十字病院を退職した後も私のことを慕って下さり、いろいろな情報を集めながら私のことを捜して下さっていたそうです。

 当時、私も諸事情があり北見を離れ、北海道を離れ、広島県に渡りましたが、北見日赤で担当させていただいた患者さんには可能な限り退職する旨をお伝えしておりましたが、ご主人にはタイミングが合わずお伝えすることができなかったようです。

 奥様からのお話を伺って、申し訳ない気持ちでいっぱいになりましたが、それと同時にとてもありがたい気持ちにもなり、涙が溢れそうになりました。医師冥利に尽きると言いますか、この仕事をやっていて良かったと思える瞬間でもありました。

 この日は、この方のほかにも、北見日赤勤務時代に大きな手術をさせていただいた患者さんが久しぶりに診察を受けに訪ねてきて下さり、さらに幾重もの嬉しい気持ち懐かしい気持ちが湧き起ってきました。

 私のクリニックは郊外に位置しますが、それも関わらず、北見日赤勤務当時に担当させていただいた患者さんが診察を受けに訪ねてこられるたびに、ありがたい気持ちになります。それが私にとっての明日への大きな推進力になっております。

 

 

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