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そろばん・暗算のすすめ

[2023.12.17]

 2023年12月10日、北見市端野町公民館において開催された『第45回全国珠算教育連盟オホーツク支部 小学生珠算競技大会』を見学させていただきました。

 皆さんは、そろばんと暗算が競技として、全道大会、全国大会も開かれていることをご存じでしょうか。

 この大会は、オホーツク管内の13のそろばん教室(飯田珠算研究所、北見珠算研究所、しらかばスクール、土本珠算教室、かんの珠算教室、丸山珠算研究所、渡部そろばん教室、畑山珠算教室、玉井珠算教室、網走珠算塾、清里そろばん教室、鈴木珠算教室、西興部夢クラブ)から選抜された73名の小学生の生徒さんたちが、そろばんと暗算(頭の中だけで計算する)のスピードと正確性を競う大会です。

 私は、ご縁があって毎年のように見学させていただいておりますが、大会を見学するたびに、選手たちのそろばんおよび暗算の技術・能力の高さには驚愕させられます。とにかくスゴいんです。何兆何億という数字の足し算・引き算・掛け算・割り算を連続して凄まじいスピードでそろばんをはじいてあるいは頭の中で計算するのです。

 大会の種目としては、総合競技(紙面に書かれている計算問題をそろばんおよび暗算で計算する。問題は、かけ算、割り算、見取り算、かけ暗算、割り暗算、見取り暗算などの種類がある。)、読み上げ算競技(出題者が高速で読み上げた問題をそろばんで計算する)、読み上げ暗算競技(出題者が高速で読み上げた問題を暗算で計算する)、フラッシュ暗算競技(画面に高速で表示される数字を暗算で計算する)があります。

 総合競技は、正解した問題の合計点数で、読み上げ算競技、読み上げ暗算競技、フラッシュ暗算は、難易度の高い問題を正解できた順番で、順位が決まり、それぞれの種目の優勝者が決定します。なお、優勝者は、全学年、小学6年生、5年生、4年生、3年生以下、というカテゴリーごとに決定します。優勝者以外にも、入賞者にはトロフィーや賞状が授与されます。

 また、各そろばん教室対抗の団体戦もあり、今回はオホーツク管内の9つのそろばん教室が競い、北見市の『飯田珠算研究所』が優勝し、見事4連覇を果たしました。飯田珠算研究所ホームページはこちらをクリック

 昔、私が子供の頃、テレビで毎年のように放送されていた『ちびっ子天才日本一~』なんとかという番組の中で、必ず、ちびっ子暗算日本一という子が出ていたのですが、何桁もの数をあっという間に頭の中で計算してしまう姿を見て、「世の中にはとんでもない奴がいるもんだ」と、別世界のことのように思っていたものですが、この大会を初めて見学させていただいたときに、身近にも、そんなレベルの子供たちがたくさんいることを目の当たりにして、衝撃を受けました。

 しかしながら、そんな生徒さんたちを見ていて感じるのは、その傑出した計算力は、決して持って生まれた才能ではなく、毎日毎日のたゆまぬ努力の賜物であるということです。そろばん教室での授業では先生からコツを学び、自宅で毎日コツコツ練習を積み重ねることで、とてつもない計算力を身に着けていくようです。

 公益社団法人全国珠算教育連盟(全珠連)によりますと、そろばん教育によって、計算力、集中力、忍耐力が養われるといわれています。結果として表に出る計算力以外にも、そろばんをはじくこと頭の中で計算をすることに脇目も振らず取り組むことで(熟達者は周りで多少物音がしても動じることはありません)、圧倒的な集中力が養われるようですし、段位や級の昇格(そろばん、暗算、フラッシュ暗算のいずれも最高位は十段まであります)や大会での優勝や入賞を目指して毎日コツコツ努力を続けることで、抜群の忍耐力が養われることはどうやら間違いなさそうです。大会に臨む選手たちの姿を見ていると、スポーツに通じるものがあり、その姿は、もはや『トップアスリート』のようで、めちゃくちゃカッコイイです。

 また、ある研究によると、そろばんで高い計算力・暗算力を身に着けた生徒さんは、右脳を活性化させて計算を行っているとのことです。一般的に、人間の脳は、右脳と左脳に分かれており、左脳は論理的な思考・言語・計算などを司り、右脳は直感的な思考・創造性・想像力・全体把握能力・ひらめきなどを司るといわれているのですが、そろばん・暗算の熟達者は、計算の際に通常使う左脳ではなく、右脳を使っている、つまり理論的ではなく直感的に計算を行っているということのようです。

 実際に、生徒さんにお話を伺うと、暗算を行う際には、頭の中にそろばんがイメージされていて、頭の中でそろばんをはじいて計算しているのだそうです。素人の私には何とも想像できない世界ですが、とにかくすごい話ですよね。

 自分の学生時代、受験生時代を思い返すと、数学や理科の問題を解く際に、計算用紙に鉛筆で筆算をして計算をしていましたから、それがもしそろばん・暗算の熟達者のように瞬時に計算ができるとしたら、計算にかかっていた時間を問題を解くための他のプロセスのために使うことができるとしたら、どんなに有利であろうと想像します。

 もし、自分が受験の際に、そろばん・暗算の能力を身に着けていたら、もしかしたら人生が変わっていたかもしれないとまで想像してしまいます。それ故に、大会に参加している子供たちを羨ましくさえ思えてしまうのです。

 受験のみならず、大人になって、仕事をするうえでも、生活をするうえでも、暗算の能力があると様々な点で有利であろうと想像します。どんな職種であっても、多かれ少なかれ計算することはあるはずですし、買い物をする場合でも計算は必要ですし、日々の生活でも数や量や時間の計算は切り離すことはできないはずです。人生設計をするうえでも計算は必ずしなければなりません。その計算が瞬時にできれば、物事の先を読んで計画したり行動することが上手にできるのではないかと思います。

 「計算なんて電卓やスマホやパソコンでやってしまえばいいじゃないか。」という声も聞こえてきそうですが、それぞれの機械に数字を入力する前に、一瞬にして計算できていることを想像してみてください。圧倒的にタイムパフォーマンスいわゆる「タイパ」がよいですよね。何かと「タイパ」が求められる現代社会においても、とても有用な能力であることは間違いなさそうです。

 以前、ピアノのお話もさせていただきましたが、そろばん・暗算も、是非とも一人でも多くのお子さんに習っていただきたい、身に着けていただきたいと強く思います。

 オホーツク管内のそろばん教室は、全道的に見ても、全国的に見ても、もかなりレベルが高く、先生方も、たいへん情熱的に親身になって指導をされています。

 そろばん・暗算、絶対おすすめです。

 そろばん・暗算の能力のすごさを目の当たりにできるYouTubeの動画をご紹介しますので是非ご覧ください。

フラッシュ暗算の動画はこちらをクリック

また、そろばん・暗算について、詳しくお知りになりたい方は、全国珠算教育連盟(全珠連)のホームページをご覧下さい。

全国珠算教育連盟(全珠連)ホームページはこちらをクリック

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