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新しい世代の多焦点眼内レンズ

[2023.11.23]

 当院では、この度、新しい世代の多焦点眼内レンズ『ビビティ』を採用いたしました。

 眼内レンズは、白内障手術の際に眼内に挿入するレンズで、人工水晶体とも呼ばれます。

 白内障は、眼球内においてピント合わせを担うレンズに当たる「水晶体」が、主に加齢によって混濁し視力が低下してしまう(眼鏡を使用しても視力が上がらなくなる)疾患です。加齢による白内障は、100%誰にでも生じます(同じ年齢でも様々な条件によって進行の早い遅いの個人差はあります。)。

 白内障手術は、この水晶体の混濁を取り除き、その代わりに人工の水晶体「眼内レンズ」を眼球内に埋め込むという手術です。眼内レンズには、様々な種類のものが存在し、世界中の企業および研究者たちの努力により日進月歩で進化を続けております。

 眼内レンズの種類は、大きく分けて、健康保険の範囲内で使用される「単焦点レンズ」と、追加料金(数十万円)を支払って(選定療養)使用される「多焦点レンズ」が存在します。「単焦点レンズ」「多焦点レンズ」それぞれに利点と欠点が存在します。

 一般的に、多焦点眼内レンズは、健康保険適用の手術(単焦眼内レンズ)に比べて、眼鏡の必要性を減らすことができる利点がありますが、それぞれの距離での見え方の精度が劣ってしまうこと(コントラスト感度の低下)や夜間の見え方の精度が劣ってしまうこと(ハロー現象・グレア現象)や多額の追加費用がかかってしまうことなどの欠点があります。

 特に、お仕事やご趣味において高い精度の見え方を必要とされる方や夜間運転をされる機会が多い方、細かいことを気にされる性格の方などには不向きと言われています。そのため、多焦点眼内レンズの使用については慎重な検討が必要であるとされています。

 『ビビティ』は、『波面制御型(焦点深度拡張型自然感覚レンズ)』という種類の新しい世代の「多焦点レンズ」です。これまでの多焦点レンズ特有の欠点(コントラスト感度低下・ハロー現象・グレア現象)が単焦点レンズと遜色ないほどに少ないとされています。

 ただし、近方(30~40cm程度の距離、本や新聞、スマートフォンなどを見る距離)まではピントが合わないため近用眼鏡(老眼鏡、読書用眼鏡)が必要となります。遠方(車を運転するのに十分な距離)から中間距離(50~60cm程度まで)までが眼鏡を使用しなくとも鮮明に見えるというイメージです。

 また、現時点では、『ビビティ』は、現時点では乱視矯正機能を持ったタイプのレンズ(トーリックレンズ)は発売されておりおらず、乱視の強い方には適応とはなりません。

 詳しくは、当ホームページ内の『白内障の治療』のページをご参照いただくか、診察時に直接お問い合わせ下さい。

 これからも、当院は、オホーツク地域の皆様に、一日でも早く白内障手術を受けていただき、明るい人生、快適な人生、充実した人生を歩んでいただけるよう努力を続けてまいります。

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