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6月10日は『こどもの目の日』

[2023.06.10]

 6月10日は『こどもの目の日』です。皆さんはご存じでしたか?

 生まれたばかり赤ちゃんは視力が十分ではなく、成長とともに視力が向上し、6歳くらいまでに1.0くらいの視力を獲得します。視力が1.0に届かない「弱視」の早期発見・治療や、低年齢化している「近視」の予防において「6歳で視力1.0」は大切な節目と考えられることから、「はぐくもう!6歳で視力1.0」という願いを込めて、今年から、6月10日が『こどもの目の日』に定められました。

 近年、日常生活や教育の場面において、デジタル機器を使用する機会が増加し、それが子供の近視の発症や進行の大きな要因となっていると考えられております。近視は、「メガネやコンタクトレンズを使えばよく見えるのだから、大した問題ではない。」と考えられがちですが、近視が進行し程度の強い近視になると、将来大人になってから、緑内障、網膜剥離、黄斑変性など失明につながる重大な病気を発症しやすくなります。近視になる年齢が低ければ低いほど程度の強い近視に進行するリスクは高くなりますし、近視になる子供の数が多ければ多いほど程度の強い近視の大人の数も将来的に多くなり、すなわち失明のリスクにさらされる人が多くなることになります。私も、これまで、近視が強いことで失明の危機にさらされる患者さんを多く目の当たりにしてきた経験から、「近視が強いことのリスク」を身に染みて実感しています。それ故に、ふるさとオホーツク地域において、「近視になる子供たちを減らしたい」、「強い近視になる子供たちを減らしたい」という思いを常に強く抱いてきました。

 また、昨年から、厚生労働省の理解と協力が得られた結果として、3歳児健康診査において「弱視」のリスクを持ったお子さんを短時間で検出できる検査機器(スポットビジョンスクリーナー)を各自治体で導入するための予算補助の制度が制定され、同機器が全国的に普及してきております。オホーツク地域においても、私の先輩の眼科医の先生方や小児科医の先生方のご尽力のおかげで、同機器による検査が積極的に行われており、多くの子供さんの「弱視」の早期発見・早期治療につながっております。

 『こどもの目の日』が制定されたことで、これから毎年周知され、一人でも多くの方に、子供の目を守ることの大切さを意識し、考えていただくきっかけになって欲しいと願っております。

 

 

 

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