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新しい世代の単焦点眼内レンズ

[2023.06.04]

 2023年6月2日で、開院して2年7か月が経過しました。この日までに、9102名の新規の患者様が来院され、2439件の手術(このうち白内障手術は2396件)を施行させていただきました。

 新型コロナウイルスは、5月8日から、国が定める感染症法における位置付けが「2類感染症」から「5類感染症」に変更になりました。これに伴い、私たちの生活において、様々な制限が緩和または解除され、ようやくかつての日常が取り戻されたように感じます。

 しかしながら、新型コロナウイルス自体が消滅したわけではなく、高齢者や基礎疾患のある方は重症化する可能性はあるようですし、今後ウィルスが強力なものに変異したり爆発的な感染がおこる可能性がゼロになったわけではありませんので、当院としては、これまでと変わらず、感染症対策を行いながら診療を続ける方針です。

 さて、当院は開設当初から、オホーツク地域の皆様に、一日でも早く白内障手術を受けていただき、明るい人生、快適な人生、充実した人生を歩んでいただけるよう努力を続けております。

 白内障は、眼球内においてピント合わせを担うレンズに当たる「水晶体」が、主に加齢によって混濁し視力が低下してしまう(眼鏡を使用しても視力が上がらなくなる)疾患です。加齢による白内障は、100%誰にでも生じます(同じ年齢でも様々な条件によって進行の早い遅いの個人差はあります。)。

 白内障手術は、この水晶体の混濁を取り除き、その代わりに人工の水晶体「眼内レンズ」を眼球内に埋め込むという手術です。眼内レンズには、様々な種類のものが存在し、世界中の企業および研究者たちの努力により日進月歩で進化を続けております。

 眼内レンズの種類は、大きく分けて、健康保険の範囲内で使用される「単焦点レンズ」と、追加料金(数十万円)を支払って使用される「多焦点レンズ」が存在します。「単焦点レンズ」「多焦点レンズ」それぞれに利点と欠点が存在します(詳しくは当院ホームページ内の記載をご覧ください。)。

 白内障手術を受けられる患者様のほとんどが「単焦点レンズ」を選択されますが、当院ではこの単焦点レンズにおいて、新しい世代の眼内レンズ「テクニスアイハンス」を積極的に使用しております。

 この「テクニスアイハンス」は、従来の単焦点レンズに比べて、眼鏡をかけていない裸眼の状態で焦点が合う範囲が広いと報告されているレンズです。残念ながら、読書をしたり新聞を読んだり携帯電話やスマートフォンの画面見る際には、裸眼ではっきり見ることは難しく、近くを見るための眼鏡(老眼鏡)を使用する必要がありますが、遠方から最大70cm程度(個人差があります。)まで裸眼で良好な視力が得られるという報告がなされています。さらには、レンズの素材も疎水性といって水分を吸収しにくい材質ですので、将来的にレンズが混濁する心配もありません。

 「テクニスアイハンス」の使用については、患者様の眼の状況から判断させていただいており、患者様が希望されても、眼球の状態によって使用できない場合もございますが、これからも、患者様にとって最適な見え方、最良な見え方を得ていただけるよう、常にメリットとデメリットを考慮しながら、慎重な判断を行いながら治療を行ってまいります。

 

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