ありがとう×3
今回は、「ありがとう」の言葉をお贈りしたい出来事が三つありましたので、その出来事についてのお話です。
2025年12月14日(日)~15日(月)にかけて、北見市を含めたオホーツク海側・道東の地域を、数年に一度のレベルの暴風雪が襲いました。北見市は一晩で50cm以上の雪が積もり、強風のため、あちこちに吹き溜まりができました。市内全域にわたって自治体の除雪が間に合わないため、公共交通機関は運休、個人レベルで除雪を行っても自家用車を出すことができず、出勤が困難となるケースが相次ぎました。
私は、事前に天気予報で暴風雪の情報を聞いており、過去の同様の天候下において、車での出勤が困難となり徒歩で出勤し、診療開始時間に間に合わなかったという苦い経験から、前日からクリニックに泊まり込んで月曜日からの診療に備えておりました。朝3時頃から1時間ほどの間停電もあり、暖房も停止してしまったため、寒さと不安に襲われた夜にもなりました。
当院は、事前に業者さんにお願いをして、重機と人力で細部まで除雪を行っていただいております。しかしながら、今回の雪は通常よりも湿った重い雪(私も事務長と共に人力での除雪作業を可能な限り行ったのですが本当に重かったです。)でかつ大量であり、それに加え作業される方が自宅から出勤できず人手不足となったため、作業に長時間を要する状況となっていたそうです。そのような状況の中、除雪業者さんは開院時間に間に合うように駆けつけて下さり、懸命に作業を行ってくださいました。そのおかげで、スムーズに診療を開始することができました。
業者さんは、なんと朝1時から依頼先の除雪を開始されていたそうです。何とも頭の下がる思いです。普段からですが、業者さんはいつも本当に丁寧に除雪作業を行って下さいます。この日は、前述の通り人員不足のため、重機による作業のみとなっていたのですが、重機をものの見事に操縦し、当院の建物の形状に沿って素早く丁寧に綺麗に除雪を行っておられました。それまで、除雪作業をこの日程間近に見ることはなかったので、その繊細さに感動を覚えました。もし私のような素人が同じ作業を行おうとしたら、建物は削れてぼろぼろになるに違いないと想像します。まさにプロのお仕事だと思いました。翌日には、前日出勤できなかった業者の方々も一緒に来られて、人力での細かい部分の除雪(非常に重たい雪でしたので本当に大変だったと思います。)をさらに丁寧に行って下さいました。私たちの診療を陰で支えて下さっている方々の存在のありがたさを改めて感じました。本当にありがとうございました(一つめのありがとう)。
当院のスタッフさんは、北見市内の各地から通勤されております。今回の豪雪では、スタッフ全員が出勤に困難を極める状況が想像され、可能な方のみ、あるいは可能になり次第、出勤されるよう連絡を行っておりました。そんな中でも、スタッフの皆さんは、ギリギリまで可能性を探って下さいました。朝早くから懸命に雪かきをされたにも関わらず断念せざろうえない方もいらっしゃいましたし、何とか駆けつけて下さった方もいらっしゃいました。中には徒歩で長距離を雪をかき分けながら来て下さった方もいらっしゃいました。この方は、道中、道端で雪にはまって動けなくなった車に遭遇し、その車の脱出の援助も行ってこられたそうです。スタッフそれぞれのお話を聞いたり、お姿を想像して、嬉しい気持ち、ありがたい気持ちになりました。スタッフの皆さん、本当にありがとうございました(二つめのありがとう)。
その日は結局、受診された患者さんは、かなり少数ではありましたが、除雪をして下さった業者さんと出勤して下さったスタッフさんのおかげで、医療を必要とされている方に、しっかりと医療を提供することができ、責務を果たすことができました。
さて、先日、当ブログの中で、旭川医科大学病院のドクターカーの更新へのご支援のお願いをさせていただきました。その後、支援額はみるみる増加し、クラウドファンディングの目標金額をはるかに上回る金額が達成され、十分な設備を備えたドクターカーへの更新が可能となったようです。ブログで記載させていただいた当初は目標金額に到達するのが困難かもしれないという状況にも見えていたのですが、関係者の皆さんの努力が実り、終盤になって多くの方々や企業の協力がどんどん増えていったようです。主催者でもない私が申し上げるのはお門違いかもしれませんが、もし当院のホームページやブログを見て協力していただいた方がいらっしゃったら、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました(三つめのありがとう)。


