不屈の向日葵たち
2025年10月2日で、開院して4年11か月が経過しました。この日までに、14507名の新規の患者様が来院され、4554件の手術を施行させていただきました。
9月29日に開催された『オホーツク網走マラソン2025』に参加してまいりました。今回も苦しい走りとなりましたが、なんとか通算28回目のフルマラソン42.195km完走を果たすことができました。
更に、今回のオホーツク網走マラソンは、私にとっては通算10回目の網走マラソン完走となりました。ゼッケンも10回目完走挑戦者用の特別な仕様のものをいただいて走らせていただきました。
また、今回も背中側に『40歳過ぎたら眼の健診を』のメッセージが印刷されたゼッケンを付けて走らせていただきましたが、今回は、なんと2名のランナーの方に「眼科医の方ですか?」、「今度、眼科受診しますね。」と声をかけていただきました。
過去の大会でも『40歳過ぎたら眼の健診を』のゼッケンを付けながら走っていましたが、声をかけられたことはなかったので、お声がけいただいたときは正直驚いたのと、走っていて自分自身に余裕がなかったのとで、笑顔でお応えすることや、気の利いたお答えができなかったことを後になってから本当に後悔しています。
しかしながら、お声がけいただいたことは本当にありがたかったです。声をかけてくださったランナーの方に改めてこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
このような形で、一人でも多くの方に眼の健康について関心を持っていただくことができれば、私にとってこの上ない喜びとなります。
『オホーツク網走マラソン』は、全国各地で数えきれない程開催されているフルマラソンの大会のランキングにおいて、連続して1位を獲得している、つまり日本一のマラソン大会です。
このランキングは全国各地のマラソン大会に参加したランナーへのアンケート調査の結果から決定されるものです。アンケートは、コース、運営、おもてなしなど様々な評価項目への採点から成り立っています。網走マラソンは全国から参加した多くのランナーからほぼ全ての項目において高い評価を得ている、まさに‘非の打ちどころのない’マラソン大会なのです。
網走マラソンにおいて特に評価が高い、大会の最大の‘ウリ’となっているものとして、ゴール地点の大曲湖畔園地の260万本の向日葵畑があります。広大な土地に、まるで絨毯のように敷き詰められた満開の260万本の向日葵畑はまさに圧巻で、息を飲むような景色です。42.195kmという苦行終えようとするランナーを最後の最後に迎えて包み込んでくれる向日葵畑には、何度走っても心が震え涙が溢れそうになります。
この向日葵畑は、網走マラソンの時期に合わせてちょうど満開になるように種まきをされているのですが、ここ最近の異常気象による猛暑のため、過去には満開の時期が早くなりすぎて大会当日にほとんどの向日葵が枯れてしまっていたこともありました。今年の夏も北海道は夏日や猛暑日が観測史上最多を記録するような暑い夏でしたから、大会運営の関係者の方の気苦労は大変なものであったと想像します。
そのような過酷な条件中、関係者の方々の尽力のおかげで今大会も見事に満開の向日葵畑となったわけですが、水谷洋一網走市長のフェイスブックによりますと、実は、大会の1週間前の9月21日に網走市を暴風雨が襲い、向日葵が全て倒れてしまったそうです。しかしながら、その翌々日には、倒れた向日葵たちが太陽に向かって見事に立ち上がり満開の勢いで花を咲かせ始めたそうです。
今年は、猛暑を考慮して例年に比べ5日早く種まきをされたそうですが、もし例年通りに種まきをされていたら、向日葵が成長しすぎて暴風で折れて復活できなかもしれないとも記載されていました。今大会の向日葵は、関係者の皆様の大会に懸ける想い、祈りが通じて立ち上がった“不屈の向日葵たち”だったのです!
例年通り、苦しいレースでしたが、“不屈の向日葵たち”に迎えられ、家族にも迎えられ、網走市長さんにも「10回目の完走ありがとうございます!」とお声をかけていただきハイタッチで迎えられ(網走市長さんは、毎回ゴール地点で2500人以上のランナーを最後までハイタッチで迎えて下さいます。写真の中の赤いジャケットを召されている方です。)、ゴールすることができました。
私が、マラソンを続けるのは、診療を続けるために、そして、人生を充実したものにするために、体力を維持することと折れない心を作ることが大きな目的ですが、今回の網走マラソンでは、“不屈の向日葵たち”から大きなエネルギーと勇気をもらいました。“不屈の向日葵たち”にあやかって、‘折れない心’を作れるように、‘折れても素早く立ち上がれる心’を作れるように、これからも鍛錬を続けていきたいと思います。





